3次方程式を解きたすぎてカルダノの公式を導出してしまった話
ふくほです.
今回は3次方程式の解の公式の1つであるカルダノの公式ついてまとめてみました.
1. 3次方程式の解の公式:カルダノの公式
カルダノの公式と呼ばれている3次方程式の解の公式があります.
3次方程式(今回はの係数を1としています)
の3つの解をとおいたとき
となるという公式です.(ミスタイプしてる気しかしない)ただし,は1の3乗根, のどちらかであるとします.なので,はどっちをとってもいいです.
ぱっと見うげっとしませんか?私はします.洗面所にずっと貼ってたんですけど,覚えることはできませんでした()
カルダノの公式という名は,16世紀半ばにジェロラモ・カルダーノが「偉大なる術」という著書にこの公式を載せたことが由来だそうです.
当時のイタリアには3次方程式の数学試合があり,解の公式はホットなネタだったみたいですね.カルダーノはタルタリアという別の人物からもらった公式を自分の著書に載せてしまったらしく,タルタリアとカルダーノの間に争いが生じたんだとか.大変ですね.一部の人々からは,カルダノ・タルタリアの公式とも呼ばれているみたいです.
タルタリアとカルダーノの情報はWikipediaにたくさんありました,面白いのでぜひ読んでみてください.
ja.wikipedia.org
ja.wikipedia.org
はじめはこの公式を丸暗記しようと思ったのですが,さすがに無理だと思ったので導出過程を追っていき自力で導けるようにしたいと思います.がんばるぞ~.
2.カルダノの公式を導いてみる
2.1.立方完成をする
まず,(1)式を立法完成しての項を何とかします.
を思い出して,これの逆をやります.よ~し.
これでとりあえずの項は何とかなりました.さて,次.
2.2.変数を増やしてみる
見出しの作成が下手.
次にと置換してみます.(本とかほかの記事だとに置換しているものが多いのですが,手書きにすると見分けがつかなくて間違えることがあるので私は避けています.勝手なルールです,ごめんなさい)
さて,(3)式に(4)を代入して整理してみましょう.
ここまでの整理,合ってるはず?です!
2.3.2変数を用いて2次方程式に持っていく
次に,(5)式を満たすの組として,以下の2つの条件をを満たすものを考えます.
(7)式において,なぜ両辺を3乗したのかはおわかりでしょうか…,これは2次方程式の解と係数の関係(KKKとか言って遊ばれるやつ)を利用するためです.
つまり,は,についての2次方程式
の2つの解に他ならないのです.すごい!
実際に(9)を解いてみましょう.2次方程式の解の公式は中学数学レベルなので既知として求めると,
2.4.ここからは頑張るしかない
ここでのを, をとしても一般性は失われないため,
とすることができます.ここまで来たらもう少し!
また,
であるため,
を導くことができます.このままでは方程式の解を構成するの組はで個あるのでは?と思うかもしれませんが,(7)式の3乗する前の式より
を満たす必要があるため絞られます.この条件を満たすは,
とすると,以下のようになります.
最後に,(4)式よりであるから,(12)の結果を代入してやります.これは(2)と一致します.
完成!
3. 感想とかまとめとか
3次方程式の解の公式は覚えておくとだいぶ便利だと思います.少なくとも私は全体的に数学の知識がなさ過ぎて,「これカルダノの公式覚えてたら計算はめんどくさいけど解けるだろうな…」みたいな問題に出会うことが割とよくあります.まぁ,3乗根の近似値を考えるのがしんどいんでしょうけど.
カルダノの公式のすごいところは,立方完成した後変数を増やしてしまうところにあるとよく言われているし私もそう思います.基本方程式を解くときは変数は減らす方向に進めるイメージなので…こんなところで解と係数の関係ってね.
全体の流れで行くと立方完成→変数を増やす→2次方程式の解と係数の関係を考える→頑張って計算って感じですか.これを覚えていたら多少時間はかかれども導ける気がします.すごーい.
最後になりましたが,もしも誤字脱字などの間違いがありましたらご一報ください,お願いします.
ということで,ふくほでした.ここまで読んでくださった方ありがとうございました!
参考文献
この記事を書くにあたって参考にしたリンクや書籍を貼ります.いつもありがとうございます.(既に貼っているものを除く)
1.LaTeXのsplitで数式モード内の長い数式を折り返す - Irohabook
2.はてなブログで記事中に数式を書く方法【TeXの簡単な使い方と支援サイト】 - sunsun fineな日々
3.三次方程式の解の公式 [物理のかぎしっぽ]
4.三次方程式の解の公式(タルタリア・カルダノの公式)