電気回路 / 三相交流入門してみた(2)三相電力, V結線について簡単に
ふくほです。
前回に続いて, 今回は三相交流での電力と, V結線について書いていこうと思います。
前回のやつはこれ。画像や電圧の定義などはそのまま使います。
fukuro-hoho.hatenablog.com
1 三相電力
電力の定義は, 電圧ベクトルと電流ベクトルの内積ですのでこれに忠実になると簡単に求めることができます。今回はΔ-Δ結線とY-Y結線のみ扱います。その他は適宜Δ-Y / Y-Δ変換をして対応することができるので。
1.1 Y結線での三相電力
Y結線での三相電力は以下の式で求まります。
特にであるとき1つの負荷に流れる電流を,1つの負荷での電圧降下をとすると
ここでは電流と電圧の位相差で, 負荷によって異なります。
また線電流が与えられているときは注意が必要です。線電流は相電流の倍になり位相が]ずれるため力率にも影響します。
1.2 Δ結線での三相電力
Δ結線での三相電力もY結線と同様に求めることができますが, 線間電圧を用いるときは注意が必要です。
線間電圧は相電圧の倍になり位相がY結線の時の電流と同様位相が]ずれるため力率にも影響します。
各負荷での電圧, 電流がわかれば電力はその総和になるだけなのでとても楽でした……。
2 V結線
V結線とは, Δ結線の起電力を1つ外したものを言います。下の図をご覧ください。たったこれだけです。
ここで, 間の電位差はとなることが読み取れます。これは三相交流回路のΔ結線と同じ相電圧が生じていることを暗示しています。つまりこれは三相交流と同じ挙動を示すのです。
参考図書
お世話になった本には感謝の気持ちを忘れないように, ここに記しておきます。
・電気回路論(電気学会大学講座), 2008/5/1, 3版第1刷
・電気回路(1)直流・交流回路編, 2019/01/25 初版第35刷
この前書いたテブナンの記事と同じです。二冊目が続編になっただけかな。
最後に
だいぶ長い記事で昨日は心が折れそうでしたが, 今日の分がだいぶ簡単でびっくりしました。それなりに手抜きではあるかもしれませんが。
私の所属している学校学科のカリキュラムに三相交流回路はないのですが, よく名前を聞くし学校の教科書に大きく載ってるしやってみよ〜!っていうノリで突撃してしまいました。(明確な動機はなく, 本当に知っといたほうが良さそうだし面白そうだし, の本当のノリと勢いです。)本は2冊読んだし, Youtubeの動画も見たので間違ったことは書いていないはず……!電験III種で頻出のテーマみたいなのでネット検索してみても参考になりそうな資料がたくさん見つかりました。ありがとうございました。
この三相交流回路を通して学んだことは, 重ね合わせの理やキルヒホッフの法則を用いればだいぶいろんな回路に対応することができるということでした。能動素子が沢山入ってきたらどうなるかわからないけど。とはいえ電気回路はきっと私の知らないことでいっぱいだと思うので, これからも学ぶ体制を保ち続けていこうと思います。
ここまで読んでくださった方, 拙い文章に図でしたがありがとうございました!