ふくほのひとりごと。

高専生が勉強したことの自分用メモ。

電気回路 / テブナンの定理を導く

ふくほです。
電気回路何もわからんので, 記事にまとめるところから始めようとおもいます。


テブナンの定理は 重ね合わせの理を用いることで導き出せます。
線型回路網を見ていくための重要な基礎となるので, 今回は導いてみようと思います。
最後には少しだけ, テブナンの定理と双対の関係にあるノートンの定理にも触れようと思います。

1 テブナンの定理

「鳳-テブナンの定理」とも呼ばれます。これはテブナンさんが直流で, 鳳太郎さんが交流で成立することを示したことに由来するそうです。

1.1 定理の概要

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図のように起電力とインピーダンスを含む回路網中の1つの端子abに着目します。ab間の開放電圧をE, abから見た回路網のインピーダンスZ_0とすれば, 端子対abに任意のインピーダンスZを接続したときにZに流れる電流Iは, 次のようになります。

I=\dfrac{E}{Z_0+Z}

Z_0は, 回路網中のすべての起電力を短絡除去して計算します。

1.2 定理の証明

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上の図のように, Zと直列にab間の開放電圧に等しい2つの電圧源を考えます。(図における矢印は上向きが正, 下向きが負)これらは打ち消し合うので, 全体で見ればなくても同じです。次に, 回路網中の電源 E_1,E_2, ..., E_n,Eが同時に働いた場合と-Eのみが働いた場合で重ね合わせることを考えます。
前者の場合, ab間は均衡を保っているためこの時電流は流れません。後者の場合, 流れる電流はI=\dfrac{E}{Z_0+Z}となります。重ね合わせの理から, この結果が全体に流れる電流に等しいことがわかります。

2 ノートンの定理

ノートンの定理はテブナンの定理の双対だといえます。電流と電圧、インピーダンスアドミタンス、解放と短絡を入れ替えることでできあがってしまいます。
起電力とインピーダンスを含む回路網中の1つの端子abに着目します。ab間の短絡電流をI, abから見た回路網のアドミタンスY_0とすれば, 端子対abに任意のアドミタンスYを接続したときにYで生じる電圧降下Vは, 次のようになります。

V=\dfrac{I}{Y_0+Y}

3 最後に

これらの定理は二端子回路網を学んでいくうえでかなり重要みたいです。いきなり回路中の抵抗を1つ変えたりしても, 1つの式に,代入する値を変えるだけで電圧降下と電流が求まる優れものです。
なんとなく理解していてもすぐに忘れてしまうので, こうやって導出していくのはだいぶ有効なのではないかと思います。苦労しないとずっと頭に残らないし。
いきなり定理だけ言われてもなかなか実用に至らないので今回は重ね合わせを使って導いてみましたが, 意外と単純でびっくりですね。2つに分けただけ。今回は例題には至らなかったわけですが, しっかり使えるようになって今後さらに回路基礎を学んでいく土台にしていきたいとおもいます。
電気回路の記事も, ちゃんと書いて理解していくぞ~!(素振り)

4 参考書籍

お世話になった本には感謝の気持ちを忘れないように, ここに記しておきます。
・電気回路論(電気学会大学講座), 2008/5/1, 3版第1刷
・電気回路(1)直流・交流回路編, 1991/01/30 初版第7刷
2冊目は表紙の裏のページに数研出版チャート式の要領で色々書いてあって個人的に好きです。