ふくほのひとりごと。

高専生が勉強したことの自分用メモ。

2階常微分方程式の特殊解の求め方


ふくほです。
2階常微分方程式
同伴方程式の基本解2つがわかっている場合の
一般解をの求め方について
わかることをまとめます。
今回扱う微分方程式は、全て
 y'' + P(x) y' + Q(x) y = R(x)\tag{1}
とします。
計算過程は端折ってるところが多いですが
自力で導出できるようにしたいので
ある程度は丁寧に書いたつもりです…。


2つの基本解を y_{1}, y_{2} とします。
まず、初めに結果を示します。
特殊解を y_{0} とおくと、
 y_{0} = − y_{1}\int \dfrac{y_{2} R(x) }{W(y_{1}, y_{2})} + y_{2}\int \dfrac{y_{1} R(x) }{W(y_{1}, y_{2})} \tag{2}
ここで
\begin{align} W( y_{1}, y_{2} )= \begin{vmatrix} y_{1}&y_{1}'\\ y_{2}&y_{2}' \\ \end{vmatrix} = y_{1} y_{2}' − y_{1}' y_{2}\end{align}\tag{3}
です。
(1)の一般解は、 y_{1}, y_{2}, y_{0} を用いると
 y = C_{1} y_{1} + C_{2} y_{2} +y_{0} \tag{4}
(但し,  C_{1}, C_{2} は定数)

となります。



では、 y_{0} の導出過程を示します。
まず、余関数である C_{1} y_{1} + C_{2} y_{2}  C_{1}, C_{2}
 xの関数 C_{1}=C_{1}(x), C_{2}=C_{2}(x)とおいて
 y_{0} = C_{1}(x) y_{1} + C_{2}(x) y_{2}\tag{5} とします。
すると
 y_{0}' = C_{1}'y_{1} + C_{1}y_{1}' + C_{2}'y_{2} + C_{2}y_{2}'\tag{6}
となります。
ここで、 C_{1}'y_{1} + C_{2}'y_{2} = 0 \tag{7}とおきます。
( y_{0}は1つ定まればよいのでこうしても問題ありません。)
これを適用させて
 y_{0}' =C_{1}y_{1}' + C_{2}y_{2}'\tag{8}
 y_{0}'' =C_{1}y_{1}'' + C_{2}y_{2}'' + C_{1}'y_{1}' + C_{2}'y_{2}'\tag{9}
が導かれます。
(5) (8) (9) を (1) に代入すると
 C_{1}' y_{1}' +C_{2}' y_{2}' =R(x) \tag{10}
が求まります。
最後に (7) (10) を連立方程式として解きます。
 
 \begin{align}
 \begin{pmatrix} 
  y_{1} & y_{2} \\
  y_{1}' & y_{2}' \\
 \end{pmatrix}

 \begin{pmatrix} 
  C_{1}' \\
  C_{2}' \\
 \end{pmatrix}
 = 
 \begin{pmatrix} 
  0 \\
  R(x) \\
 \end{pmatrix}
 \end{align}
 \tag{11}
これを解くと
 
 \begin{align}
 C_{1}' = -\frac{y_{2} \cdot R(x)}{W(y_{1}, y_{2})}, 
 C_{2}' = \frac{y_{1} \cdot R(x)}{W(y_{1}, y_{2})}
 \end{align}
となるから
 
 \begin{align}
 C_{1}' = -\int \frac{y_{2} \cdot R(x)}{W(y_{1}, y_{2})} , 
 C_{2}' = \int \frac{y_{1} \cdot R(x)}{W(y_{1}, y_{2})}
 \end{align}
となります!
この結果を (5) に代入すると (2) と同じ結果が得られます。
以上から特殊解を導くことができました。

最後に

初めてこれ見たとき、「え、これ覚えるのか」と思いましたが
導出過程をしっかり頭に入れておくと
そんなにしんどくない気がしてきました。(ほんとか?)
(ちなみに私、三角関数の加法定理も一時期全て導出していました)
数学わからん…